鶴見エリアの中学受験事情と塾選びの基本
横浜市の東の玄関口とも言える鶴見区は、交通の利便性が高く、多くの子育て世代が暮らす活気ある街です。中学受験においても非常に熱心なご家庭が多く、鶴見駅周辺には大手から個人経営まで数多くの学習塾がひしめき合っています。「周りのお友達が塾に通い始めたけれど、うちはどうしよう」と焦りを感じているお母様やお父様もいらっしゃるのではないでしょうか。まずは、鶴見エリア特有の受験事情と、数ある塾の中からお子様に最適な環境を見つけるための基礎知識を整理していきましょう。地域の特性を知ることが、合格への第一歩となります。
横浜市鶴見区における中学受験の現状とトレンド
鶴見区は、JR京浜東北線や京急本線が利用できるため、神奈川県内だけでなく東京都内の私立中学校への通学も十分に可能なエリアです。そのため、選択肢の幅が非常に広いというのが最大の特徴と言えます。近年では、大学入試改革の影響もあり、早慶やMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)などの大学付属校の人気が高まっています。
また、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校のような公立中高一貫校への関心も年々高まっており、適性検査対策を求める声も多く聞かれます。鶴見エリアの保護者様は情報感度が高く、早い段階から学校見学や説明会に参加される傾向にあります。
地元の公立中学校も落ち着いた環境が多いですが、「より良い学習環境を求めて」「高校受験を回避して大学進学に集中させたい」という理由で中学受験を選択するご家庭が増えています。特に鶴見駅の西口・東口ともに再開発が進み、新しいマンションが増えたことで、教育熱心な新しい住民層が流入していることも、このエリアの中学受験熱を支える要因の一つです。
- 東京都内の難関校も通学圏内:開成、麻布、広尾学園なども視野に入ります。
- 県内の人気校へのアクセス良好:浅野、聖光、フェリスなどへの通学もスムーズです。
- 公立一貫校の人気上昇:YSF(サイエンスフロンティア)や南高附属などが人気です。
このように選択肢が多いからこそ、「どの学校を目指すのか」によって選ぶべき塾が大きく変わってきます。まずはご家庭で「なぜ受験をするのか」という軸を話し合うことが大切です。
「集団指導」と「個別指導」それぞれのメリットとデメリット
塾選びにおいて最初に直面するのが、「集団指導塾」にするか「個別指導塾」にするかという選択です。どちらが優れているというわけではなく、お子様の性格や現在の学力、目指す志望校によって最適なスタイルは異なります。
| タイプ | メリット | デメリット | 向いている子 |
|---|---|---|---|
| 集団指導 | ライバルと切磋琢磨できる カリキュラムが体系的 受験情報が豊富 | 個別のフォローが手薄になりがち 授業進度が速い 時間の融通が利きにくい | 負けず嫌いな子 基礎学力がある子 周りに流されず集中できる子 |
| 個別指導 | 自分のペースで進められる 苦手科目を集中的に対策できる 質問がしやすい | 競争心が育ちにくい 費用が割高になる傾向がある 講師の質にバラつきがある | マイペースな子 特定の科目が苦手な子 習い事と両立したい子 |
集団塾は、カリキュラムに沿ってクラス全員で進んでいくため、一定のペースメーカーとしての役割を果たします。「周りも頑張っているから自分もやる」というモチベーション維持には最適です。一方で、一度つまずくと置いていかれるリスクもあります。
個別指導は、お子様の理解度に合わせて授業が進むため、丁寧な指導が受けられます。しかし、競争相手が見えにくいため、井の中の蛙になってしまう可能性もあります。最近では、集団塾をメインにしつつ、苦手科目だけ個別指導を併用するというスタイルも一般的になってきました。
通塾におけるアクセスの重要性と鶴見駅周辺の環境
中学受験は長丁場です。4年生から通い始めると、約3年間塾に通うことになります。そこで見落としがちなのが「通塾のしやすさ」と「安全性」です。特に6年生になると帰宅時間が21時を過ぎることも珍しくありません。
鶴見駅周辺は、JR京浜東北線と京急線の2路線が使えるため非常に便利ですが、駅前は繁華街でもあり、人通りが多い反面、夜遅い時間帯の治安には注意が必要です。多くの塾は駅の近くに立地していますが、駅から塾までの道のりや、バスを利用する場合のバス停までの距離などは、実際に歩いて確認することをお勧めします。
また、鶴見エリアはバス網が発達しています。獅子ヶ谷、馬場、駒岡といった駅から少し離れたエリアにお住まいの方も、バスを利用して鶴見駅前の塾に通うケースが多いです。そのため、駐輪場の有無や、スクールバスの運行状況なども塾選びの重要なチェックポイントになります。
- 駅からの距離:子供の足で徒歩何分か確認しましょう。
- 夜道の明るさ:冬場は17時には暗くなります。街灯の多さをチェック。
- 入退室メール:子供が塾に着いた・出たタイミングで親に通知が来るシステムがあると安心です。
親御様の送迎が可能かどうかも含めて、無理なく通い続けられる環境かどうかをシミュレーションしてみてください。
失敗しない塾選びのために保護者が確認すべきポイント
塾選びで後悔しないためには、インターネット上の評判や合格実績だけで判断せず、実際に足を運ぶことが何より重要です。パンフレットには良いことしか書かれていませんが、実際の教室の雰囲気や先生の対応を見ることで、お子様に合うかどうかが直感的に分かることもあります。
まず確認していただきたいのは、「講師との相性」と「質問のしやすさ」です。どんなに素晴らしいカリキュラムでも、先生の教え方がお子様に合わなければ成績は伸びません。体験授業を受けてみて、「先生の話が面白かった」「分かりやすかった」とお子様が言うかどうかが一つの判断基準になります。
次に、「クラスの雰囲気」です。活気があって積極的に発言するクラスなのか、静かに集中して取り組むクラスなのか。お子様の性格によって、どちらが心地よいかは異なります。また、自習室の環境も大切です。家ではなかなか集中できないお子様にとって、いつでも使える自習室があるかどうかは大きなポイントになります。
そして最後に、「費用の総額」を必ず確認してください。授業料だけでなく、教材費、テスト代、講習費、施設維持費など、年間でどれくらいの費用がかかるのかを事前に把握しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
鶴見駅周辺のおすすめ集団指導塾とその特徴
ここからは、鶴見駅周辺にある主な集団指導塾について、それぞれの特徴を詳しくご紹介していきます。鶴見には大手の中学受験塾が多く進出しており、それぞれに特色があります。志望校のレベルや校風、そしてお子様の性格に合わせて選ぶことが大切です。「有名な塾だから安心」と思わずに、中身をしっかりと見比べてみましょう。
日能研 鶴見校
中学受験といえば「Nバッグ」の日能研を思い浮かべる方も多いでしょう。鶴見校はJR鶴見駅東口から徒歩数分の好立地にあります。日能研の最大の特徴は、「復習主義」のカリキュラムと膨大なデータ量です。授業で新しいことを学び、家庭学習で復習をして定着させるというサイクルが確立されています。
日能研は、上位校から中堅校まで幅広いレベルの学校に対応しており、特に神奈川エリアの学校情報には定評があります。定期的に行われるテスト(カリテ・公開模試)の結果によってクラス替えが行われるため、常に自分の立ち位置を確認しながら学習を進めることができます。
鶴見校は、アットホームな雰囲気もありつつ、受験に向けて真剣に取り組む生徒さんが多いのが特徴です。先生方も生徒一人ひとりの様子をよく見てくださり、学習相談や進路相談にも親身に乗ってくれます。「コツコツと真面目に取り組める子」や「データに基づいた指導を受けたいご家庭」には非常におすすめです。
- 住所:横浜市鶴見区鶴見中央1-31-2 シークレイン2F
- 特徴:独自のテキスト、豊富なテスト、クラス変動制
- 対象:難関校〜中堅校まで幅広く対応
臨海セミナー 中学受験科 鶴見校
神奈川県を中心に多くの教室を展開する臨海セミナー。その中でも中学受験科は、「御三家・難関校への合格実績」を伸ばしている注目の塾です。鶴見校も駅からのアクセスが良く、通いやすい環境にあります。
臨海セミナーの特徴は、何と言っても「面倒見の良さ」と「リーズナブルな価格設定」です。他の大手塾に比べて授業料が抑えられているにもかかわらず、補習や個別のフォローが手厚いと評判です。「わかるまで帰さない」という熱心な指導方針があり、宿題のチェックや小テストの管理も徹底されています。
また、御三家特訓講座などの上位層向けのオプション講座も充実しており、高い目標を持つお子様にも対応しています。一方で、宿題の量や拘束時間は長めになる傾向があるため、「ガッツがあり、体力に自信がある子」や「親が勉強を見るのが難しいご家庭」に向いています。先生方の熱意に応えられるお子様であれば、大きく成績を伸ばすことができるでしょう。
- 特徴:手厚い補習体制、比較的安価な費用、熱血指導
- 対象:公立一貫校、難関私立、中堅校
- ポイント:YTnet(四谷大塚のテスト)を導入しているコースもあります。
CG中萬学院 鶴見スクール
神奈川県特化の塾として長い歴史を持つ中萬学院。中学受験部門は「啓明館」というブランドで展開しているケースもありますが、鶴見エリアでは公立中高一貫校対策に強みを持つCG中萬学院の存在感が大きいです。特に、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校や、横浜市立南高等学校附属中学校を目指すなら、候補に入れておきたい塾の一つです。
公立中高一貫校の受検(受験)は、私立とは異なる「適性検査」への対策が必須となります。知識だけでなく、思考力や表現力、記述力が問われるため、専門的な対策が必要です。CG中萬学院では、こうした適性検査特有の問題に対応するためのカリキュラムが組まれており、作文指導なども丁寧に行ってくれます。
もちろん私立中学受験にも対応していますが、どちらかと言えば「地元志向の強いご家庭」や「公立一貫校を第一志望とするご家庭」にフィットする塾です。地域の情報に詳しく、神奈川県内の入試動向については非常に頼りになる存在です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 公立中高一貫対策 | 適性検査対策に特化したコースが充実。実績も豊富。 |
| 地域密着情報 | 神奈川県内の学校情報や入試トレンドに精通している。 |
啓進塾(近隣エリアからの選択肢)
鶴見駅の直近ではありませんが、横浜エリアの中学受験において「知る人ぞ知る名門」として名前が挙がるのが啓進塾です。戸塚や文庫、日吉などに校舎があり、鶴見から通塾圏内の校舎を検討される方もいらっしゃいます(※日吉校などは東横線利用で通学可能)。
啓進塾の最大の特徴は、「プリント学習」と「他塾にはない独自の指導法」です。大手塾のようなカラー刷りのテキストではなく、先生方が手作りしたプリント教材を中心に授業が進みます。これが非常に中身の濃いもので、子供たちの「考える力」を徹底的に鍛え上げます。「楽しくなければ塾じゃない」というモットーがあり、厳しいながらも知的好奇心を刺激する授業が展開されます。
浅野中学校やサレジオ学院など、神奈川の男子難関校に圧倒的な強さを誇りますが、女子の指導にも定評があります。「大手塾のシステム的なやり方が合わなかった子」や「じっくりと思考力を育てたいご家庭」におすすめです。ただし、親御様のプリント整理などのサポートはそれなりに必要になることを覚悟しておく必要があります。
一人ひとりに合わせた対策ができる鶴見の個別指導塾
集団塾のカリキュラムについていけるか不安、あるいは習い事と両立したい、特定の志望校に特化した対策をしたい。そんなご家庭におすすめなのが個別指導塾です。鶴見駅周辺には質の高い個別指導塾が多く、集団塾の補習として利用されるケースも増えています。ここでは、中学受験に強い個別指導塾をピックアップします。
TOMAS(トーマス)鶴見校
個別指導塾の中でも「進学個別」を掲げ、高い難関校合格実績を誇るのがTOMASです。鶴見校も駅前にあり、通いやすさは抜群です。TOMASの最大の特徴は、「完全1対1の個室指導」であることです。講師一人が生徒一人につきっきりで指導し、ホワイトボードを使って授業を行うスタイルは、まるで小さな教室を独り占めしているような感覚です。
一般的な個別指導塾が「わからないところを教えてもらう(補習)」スタイルであるのに対し、TOMASは「合格から逆算したカリキュラムを作成し、授業を進める(進学指導)」スタイルです。そのため、集団塾に通わずにTOMASだけで御三家や早慶を目指す生徒さんも少なくありません。
もちろん費用は相応にかかりますが、「集団塾のペースが合わないけれど難関校を目指したい子」や「志望校が特殊で、専用の対策が必要な子」には、これ以上ない環境と言えます。また、SAPIXや日能研のクラスアップ対策として利用する際も、各塾のテキストに完全に合わせた指導をしてくれます。
東京個別指導学院 鶴見教室
ベネッセグループが運営する東京個別指導学院は、情報力と安心感が魅力です。鶴見教室は、明るく開放的な雰囲気で、生徒がリラックスして学習できる環境が整っています。先生と生徒の距離が近く、勉強だけでなく進路や学校生活の悩みも相談しやすいのが特徴です。
こちらの塾では、「担当講師制度」を採用しており、数人の講師の授業を受けた後、自分に一番合った先生を指名することができます。中学受験はメンタル面が大きく影響するため、相性の良い先生に伴走してもらえることは大きなメリットです。
カリキュラムの柔軟性も高く、集団塾のフォローから、中堅校狙いのメイン塾としての利用まで幅広く対応してくれます。また、当日の振替も柔軟に対応してくれることが多く、「習い事やスポーツと両立しながら受験をしたい子」にとって非常に使い勝手の良い塾です。無料体験授業も充実しているので、まずは雰囲気を確かめてみることをお勧めします。
ユリウス(日能研リーグ)
ユリウスは、日能研グループが運営する個別指導塾です。鶴見にも教室があり、日能研に通っている生徒さんの併用率が非常に高いのが特徴です。当然ながら、日能研のカリキュラムやテキスト、テスト内容を完全に把握しているため、日能研での成績アップを狙うなら最も効率的な選択肢となります。
講師には日能研の卒業生も多く、「日能研あるある」や「この時期の乗り越え方」などを実体験としてアドバイスしてくれるのも心強い点です。もちろん、日能研生以外も受け入れており、日能研の膨大なデータに基づいた進路指導を受けることができます。
「日能研のクラスが落ちてしまった」「算数の特定の単元だけついていけない」といったピンポイントな悩みを解決するのに最適です。「日能研に通っているが、親が教えるのに限界を感じているご家庭」にとっては、まさに救世主のような存在になるでしょう。
個別指導塾の活用法と併用のススメ
個別指導塾を検討する際、「個別だけで行くか」「集団と併用するか」で悩まれると思います。最近のトレンドとしては、4年生までは集団塾で基礎を固め、5年生・6年生で苦手科目が出てきたら個別をスポットで利用するという方法が賢い選択と言えます。
また、6年生の夏以降、志望校の過去問対策(赤本対策)を行う時期になると、集団塾では個々の志望校に合わせた細かい記述添削までは手が回らないことがあります。この時期に個別指導塾を利用し、志望校の出題傾向に合わせたマンツーマン指導を受けることで、合格率をグッと引き上げることができます。
- 併用のポイント:集団塾の教材をそのまま使って教えてもらうことで、子供の負担を減らす。
- 目的の明確化:「算数の図形だけ」「国語の記述だけ」など、何を強化したいのかをはっきりさせる。
- 期間を決める:ダラダラと通うのではなく、「次のクラス分けテストまで」など期限を設ける。
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スマイルゼミは中学受験に効果的?幼児期から始める学習の基礎づくり
志望校別のアプローチと鶴見からの通学圏
鶴見区にお住まいの最大のメリットは、その「地理的な優位性」にあります。JR京浜東北線を使えば東京方面へも横浜方面へもアクセスが良く、京急線を使えばさらに選択肢が広がります。また、バス網を使えば東横線沿線の学校へも出やすいのが特徴です。ここでは、志望校のタイプ別に、どのような塾選びや対策が必要になるかを解説します。
神奈川御三家(聖光・栄光・浅野)を目指す場合の塾選び
神奈川県の男子最難関である「神奈川御三家」。中でも浅野中学校は、JR京浜東北線の新子安駅が最寄りであり、鶴見からは自転車で通えるほどの近さにあります。そのため、鶴見エリアの優秀な男子生徒の多くが浅野中を第一志望、あるいは併願校として検討します。
御三家レベルを目指す場合、求められる学力は「教科書レベル」を遥かに超えます。見たことのない問題を、持っている知識を組み合わせて解く「思考力」が問われます。そのため、難関校対策に特化したカリキュラムを持つ塾を選ぶことが必須です。
具体的には、SAPIX(横浜校や日吉校が通学圏)や、日能研・臨海セミナーの上位クラス(選抜クラス)に在籍し続ける必要があります。特に6年生の後半に行われる「志望校別特訓(日特やNNなど)」では、それぞれの学校の出題傾向に特化した演習を繰り返します。鶴見から通いやすい校舎で基礎を固めつつ、6年生になったら志望校別コースがある大規模校舎へ遠征する、というスタイルも一般的です。
横浜サイエンスフロンティアなど公立中高一貫校対策
鶴見区小野にある横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校(YSF)は、理数教育に特化した公立中高一貫校として、爆発的な人気を誇ります。地元である鶴見区からの志願者も非常に多い学校です。
公立中高一貫校の入試は「適性検査」と呼ばれ、私立型の「知識を問う問題」とは大きく異なります。長い文章を読み解く読解力、図表から情報を読み取る分析力、そして自分の考えを論理的に書く記述力が求められます。「私立対策をしていれば受かる」というほど甘いものではありません。
対策としては、CG中萬学院や湘南ゼミナールなど、公立一貫校対策コースを独立して設置している塾が強みを発揮します。また、私立受験をメインにする場合でも、6年生の夏以降は適性検査対策の過去問演習を追加で行う必要があります。「記述力」は一朝一夕では身につかないため、5年生頃から新聞のコラムを要約するなどの家庭での取り組みも効果的です。
大学付属校(法政・中央・日大など)を狙う戦略
大学入試の定員厳格化に伴い、大学付属校の人気が高止まりしています。鶴見エリアからは、法政大学第二中学校(武蔵小杉)、日本大学中学校(日吉)、中央大学附属横浜中学校(センター北)などが通学圏内として人気です。
付属校の入試問題は、御三家のような奇問・難問が出ることは少なく、比較的オーソドックスで基礎に忠実な問題が出題される傾向にあります。そのため、難問を解く訓練よりも、「標準的な問題を、ミスなく確実に解く力」が合否を分けます。
この場合、進度が速すぎる塾や難しすぎる問題集はオーバーワークになる可能性があります。中堅校に強い日能研や、基礎を丁寧に固める早稲田アカデミー(近隣だと川崎や横浜)、あるいは面倒見の良い地域密着型の塾で、基礎力の完成度を高める戦略が有効です。過去問との相性も重要になるため、早めに志望校の傾向を掴んでおきましょう。
中学受験を成功に導くための家庭でのサポート
「中学受験は親の受験」とも言われるように、小学生のお子様一人だけで3年間の受験生活を乗り切ることは不可能です。しかし、親が関わりすぎても子供は潰れてしまいます。ここでは、親御様に求められる適切な距離感とサポート内容についてお話しします。
塾任せにしない!親ができる学習管理とメンタルケア
最も重要な役割は「ティーチング(教えること)」ではなく「マネジメント(管理すること)」です。勉強の中身はプロである塾の先生に任せましょう。親が勉強を教えると、どうしても感情的になってしまい、「なんでこんな簡単な問題ができないの!」と親子喧嘩に発展しがちです。これは百害あって一利なしです。
親御様にしていただきたいのは、膨大なプリントの整理や、一週間のスケジュール管理です。「今日は算数の宿題をここからここまでやる日だね」とペースメーカーになってあげてください。そして何より大切なのがメンタルケアです。テストの点数が悪かった時こそ、「次はどうすればいいかな?」と前向きに寄り添い、家庭を「リラックスできる安全基地」にしてあげることが、子供のやる気を持続させます。
お弁当作りや送迎など生活面でのバックアップ
塾通いが本格化すると、生活リズムの維持が課題になります。特に食事は重要です。塾の前におにぎりなどの軽食を食べさせ、帰宅後に消化の良い夕食を用意するなど、栄養バランスと食事のタイミングには気を配る必要があります。鶴見駅周辺にはコンビニやファストフードも多いですが、毎回買い食いでは健康面が心配です。手作りのお弁当は、子供にとって大きな励みになります。
また、送迎についても家族での協力体制が不可欠です。鶴見駅周辺は夜でも明るいですが、一本路地に入ると暗い場所もあります。特に女の子の場合は、駅の改札まで迎えに行く、あるいはバス停まで迎えに行くなどの配慮が必要です。「今日はパパが迎えに来てくれる」というだけで、子供は安心して勉強に集中できます。
塾との上手な付き合い方と面談の活用法
塾を「利用する」意識を持つことも大切です。高い授業料を払っているのですから、遠慮せずに相談しましょう。特に、お子様の家での様子や、モチベーションの低下などは、塾側からは見えにくい部分です。「最近、家で集中できていないようです」「算数のこの単元で苦戦しています」といった情報は、こまめに担当講師と共有してください。
定期的な保護者面談だけでなく、不安があれば電話相談も活用しましょう。良い塾ほど、親御様からの相談を歓迎します。塾と家庭が同じ方向を向いてお子様をサポートすることが、合格への最短ルートです。
費用とスケジュールの現実
中学受験は「課金ゲーム」などと揶揄されることもありますが、実際にどれくらいの費用がかかるのか、現実を知っておくことは資金計画を立てる上で非常に重要です。後になって「こんなにかかるとは思わなかった」とならないよう、相場感を掴んでおきましょう。
中学受験にかかる費用の相場と内訳
一般的に、大手進学塾に3年間(4年生〜6年生)通った場合にかかる総額は、200万円から300万円と言われています。これはあくまで塾に支払う費用であり、受験料や入学金は含まれていません。
| 学年 | 年間費用の目安 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| 小学4年生 | 約40〜60万円 | 授業料(月額3〜4万)、教材費、季節講習費 |
| 小学5年生 | 約60〜80万円 | 授業料(月額4〜5万)、通塾日数増、模試代増 |
| 小学6年生 | 約100〜130万円 | 授業料(月額5〜7万)、志望校別特訓、夏期・冬期講習、直前講習 |
このように、学年が上がるごとに費用は増加します。特に6年生は、通常の授業料に加えて、日曜特訓や合宿(現在はオンラインの場合もあり)、正月特訓などのオプション講座が目白押しです。これらを全て受講するかどうかは、お子様の状況と予算に合わせて取捨選択する必要があります。
入塾のタイミングはいつがベスト?低学年からのスタート
多くの中学受験塾では、新4年生(小学3年生の2月)から本格的なカリキュラムがスタートします。そのため、このタイミングで入塾するのが最も一般的であり、スムーズに学習に入れます。最近では席の確保のために低学年(1〜2年生)から通わせるご家庭も増えていますが、低学年のうちは「勉強を楽しむ」「学習習慣をつける」ことが主目的であり、受験テクニックを詰め込むわけではありません。
3年生の秋頃から各塾で入塾テストや説明会が始まります。鶴見エリアの人気塾はすぐに定員に達してしまうこともあるため、3年生の10月頃から情報収集を始め、冬期講習を体験として利用するのがベストな流れです。
6年生の1年間にかかる費用と追加講習
6年生の1年間は、家計にとって正念場です。塾代だけでなく、実際の入試にかかる費用も準備しておく必要があります。
- 受験料(検定料):1校あたり2万〜3万円。平均して5〜7校受験するため、約15万〜20万円。
- 入学金:合格した学校に入学する権利を確保するために支払うお金。20万〜30万円程度。
- 入学金納入のタイミング:第一志望の発表前に、滑り止めの学校の納入期限が来ることがあります。この「捨て金」となる可能性のある費用も考慮しなければなりません。
これらを含めると、6年生の1年間だけで150万円〜200万円近くの出費になることも珍しくありません。事前に積立をしておくなど、計画的な準備をお勧めします。
よくある質問とまとめ
最後に、鶴見エリアで塾を探している保護者の方からよく寄せられる質問にお答えし、この記事をまとめたいと思います。
転塾を考えるタイミングは?
「今の塾で成績が上がらない」と悩んだ時、転塾が頭をよぎります。転塾に最適なタイミングは、カリキュラムの区切りが良い「4年生の終わり(新5年生になる時)」です。5年生の後半以降、特に6年生になってからの転塾は、カリキュラムの抜け漏れが生じるリスクが高く、お子様の負担も大きいため慎重になるべきです。もし転塾を考えるなら、まずは現在の塾に相談し、それでも解決策が見出せない場合の最終手段と考えましょう。
習い事との両立は可能か
4年生までは週2回程度の通塾なので、ピアノやサッカーなどの習い事と両立しているお子様が大半です。5年生になると通塾日が週3〜4回に増え、宿題も増加するため、整理が必要になります。6年生では受験勉強に専念するために習い事を一時中断するケースが多いですが、息抜きとして細々と続ける子もいます。「いつまで続けるか」を親子で話し合って決めておくことが大切です。
鶴見エリアで塾を探す方へ
鶴見は中学受験において非常に恵まれた環境です。選択肢が多いということは、それだけ迷いも生じますが、お子様にぴったりの塾が見つかる可能性も高いということです。
塾選びに正解はありません。Aさんのお子様にとって最高の塾が、Bさんのお子様にとっても最高とは限らないからです。偏差値や合格実績といった数字だけでなく、「子供が笑顔で通えそうか」「先生は子供の個性を認めてくれそうか」といった定性的な部分を大切にしてください。
この記事が、これから中学受験という大海原へ漕ぎ出す皆様の羅針盤となれば幸いです。まずは気になる塾の体験授業に足を運び、ご自身の目で確かめてみてください。お子様の成長と合格を心から願っております。
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